我慢
嫌われたくなかった人に嫌われて、泣いた。
でもよく考えたらもっと前から嫌われてたろうな、って考えて泣いた。
じゃあ嫌われたくなかった人じゃない人に嫌われるのはいいのかって考えたら、やっぱりそれも悲しいし泣いた。
みんなはもっと多分ちゃんとやってるんだ、きっと、ずっと。人に対してちゃんと誠心誠意こめて、きづいてないかもしれないけどしっかり相手のことを気遣って自分を殺してるんだ。ぼくばっかりが大変なわけじゃないのに、ぼくだけがサボるから、ぼくだけがうまくいかないんだ。
我慢して生きてるんだ、みんなも。
楽して生きようとしてるのがいけないんだ。
呼吸をするように人に嫌な気持ちをさせちゃうから、もっと長く長く息を止められるよう練習しなきゃいけないんだ。
みんなもちゃんとがんばって生きてるんだから、ぼくはがんばって生きてるってことをわざわざ言っちゃだめなんだった。
だれにも迷惑かけないで生きたいけど上手にできない。
「ああこの人は迷惑かけても許してくれるんだ」って必死になって探しあてたつもりでも、きっとその人が我慢してくれてるだけだから。
仲良くしたければしたい人ほど、慎重になって話さないと。ぼくはどうせすぐ嫌われちゃうんだから。
すぐ心を開くけど、それはだれにも心を開いてないのとおんなじだった。
大切な人には嫌な気持ちになってほしくないから、なるべく関わっちゃいけないってことを覚えた。
やっと、わかった。
つらいときつらいって言わないように、我慢して生きるんだもっと。